細胞の天敵としての活性酸素は様々な病気の引き金とされている

遺伝子治療とは

この数年来、脚光をあびている言葉に「遺伝子治療」というのがあります。細胞の中の遺伝子が傷つけられると、ガンや心臓病、糖尿病、高血圧などの成人病、痴呆、さらにはアトピー性皮膚炎などの自己免疫に関わる病気の原因ともなることが、最近の研究によって明らかになってきました。

そのため、傷ついたりまちがった遺伝子を正しい遺伝子に置き換える遺伝子治療が注目されているのです。ただ、これは将来的に有望視されているものの、まだ研究段階であり、いま、私たちにできることは、遺伝子が傷つかないように自分自身で守ることなのです。

遺伝子を傷つけ、さまざまな病気の引き金になる最大の原因は「活性酸素」です。秋好博士が勃起障害の元凶と指摘した活性酸素は、ほかにも実にさまざまな病気を引き起こすのです。どうして体内で活性酸素が発生するのか、簡単にみておきましょう。

体内で活性酸素が発生するメカニズム

前ぺージの細胞の模型図にミトコンドリアという器官があります。私たちが食べたものからエネルギーをつくる役割を担っているのがこの器官で、いわばエネルギーをつくりだすエンジンのようなものです。このミトコンドリアは、自動車のガソリンに相当するブドウ糖や脂肪から電子を取り出し、それを体内の酸素に与えます。そのときにエネルギーが発生するのですが、この過程で電子をもらった酸素は酸化力の非常に強い悪玉酸素に、つまり活性酸素に変身してしまうのです。

活性酸素は遺伝子を傷つけ、さらに脂質を酸化させます。ガンをはじめ脳卒中、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病などの成人病を引き起こし、また、前にもみたように勃起障害を起こしたり老化の原因にもなります。わかりやすくいえば、人体の細胞を錆びさせ、健康を奪ってしまうのが活性酸素です。

活性酸素発生の要因は日常生活のあらゆるところにある

そして、この活性酸素を発生させる機会や要因は、私たちの日常生活のあらゆるところにあるのです。たとえば喫煙、食品添加物、工場や車の排気ガス、紫外線、ストレス、放射線、電磁波などです。スナック菓子やインスタントラーメンのとり過ぎでも活性酸素は発生するのです。これらのうち、ほとんどは私たちにとって避けがたいものです。たとえば自分の意思で禁煙しても、周囲の人が吸うタバコは避けられません。排気ガスがいやでも、外出しないわけにはいきません。

SODと食生活

このように、私たちは活性酸素発生の要因にかこまれながら生活しているわけですが、 小宇宙である人体はよくできたもので、遺伝子が傷つくのを防ぐ機能をちゃんと備えているのです。「SOD (スーパー•オキサイド•ディスムターゼ)」という解毒酵素がその役目を果たしますが、ただ、このSODを体内で合成する能力には、非常に個人差があるのです。

どんな食生活をしているかによって、SOD合成能力が違ってくるわけです。SODは鉄やマンガンなどのミネラルと結びついて初めて威力を発揮し、ビタミンやミネラルなどの抗酸化物質、なかでも核酸DNAとRNAの成分が分解されてできる尿酸には、強力な抗酸化力があるのです。