一千万を超える日本人男性に悩まれている勃起不全(ED)は?

なんらかのセックス•トラブルに悩む日本人男性は一千万人を超える、まえがきでそうお話ししました。ひと口にセックス•トラブルといっても、いろんな症例があります。

勃起不全と勃起不能の区別

勃起不全、勃起不能、早漏•遅漏、その他(スタミナ不足)などですが、いちばん際だって多いのが勃起不全(ED)なのです。このなかで、勃起不全と勃起不能が同じものと誤解している人もいますが、そうではありません。どちらも勃起障害ですが、勃起不能というのは、たとえば交通事故で背骨を痛め、脊髄の中枢神経が損傷した結果、大脳からの命令が性器に伝わらずまったく勃起しない状態など、勃起能力を失ったいわゆる不能(インポテンツ)のことです。

一方、勃起不全とは、専門的には「性交時に十分なだけの勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行なえない状態」と定義されています。平たくいえば、ある程度勃起はするのですが、挿入できるほどではない、あるいは挿入し ている途中で柔らかくなってしまう、いわゆる中折れの状態を勃起不全といいます。では、どうしてこのような勃起不全の状態が起こるのでしようか。それを知るためにはまず、勃起のメカニズムを理解する必要があります。

勃起のメカニズム

男性ならどなたもおわかりのように、たとえばなまめかしい女性のヌードを見ると、ごく自然にペニスが固くなります。ヌード写真でも同じです。これは視覚でとらえたものを脳が察知し、大脳から勃起を起こす中枢神経に命令が伝わってペニスが固くなるのです。 固くなるというのをもっと具体的にいえば、性的に興奮すると二〇~三〇ccの血液が一気にペニスに流れ込んでくるのです。ところが、勃起を促す中枢神経の働きが弱くなると、ペニスに流れてくる血液の量が少なくなり、十分に勃起しなくなります。これが勃起不全 です。

勃起不全を引き起こす原因

勃起不全を引き起こす原因として、つぎのようなものが考えられます。
①    男性ホルモン分泌の低下
②    糖尿病、高血圧症、心臓病など慢性病の影響
③    大脳が勃起中枢神経に伝達する機能の低下
④    必要な栄養素の不足および血行障害
⑤    ストレスなど生活環境·精神面の影響
⑥   薬の乱用

これらのうち、最も多く見られるのが、①の男性ホルモン分泌の低下です。男性ホルモンは生殖機能を促すためのものですから、分泌されなくなると勃起能力がなくなり、性欲そのものも低下します。この男性ホルモンの分泌は通常二十代半ば頃がピークで、その後しだいに低下していき、四十歳頃から急速に低下していきます。つまり、年を取ることによる自然現象ですが、個人差もあります。

②の病気による影響ですが、糖尿病になると精力が減退することはよく知られていますが、高血圧症、心臓病、また肝臓や腎臓などの慢性病によっても精力減退は起こります。それらの病気によってぺニスの血管に影響をおよぼし、十分な血液が流入しないため勃起不全になりやすいのです。

③の極端な例は、先ほども触れた交通事故によって勃起中枢神経が遮断されてしまったような場合です。これは精力が減退したということではなく、能力を失ってしまったわけです。能力はあっても、大脳が勃起中枢神経に伝達する機能が低下する場合としては、たとえば泥酔したようなときです。また、老人性痴呆症などの場合も、大脳からの伝達機能が衰えることで勃起不全になりがちです。

④の栄養素不足。これは食生活の問題です。いうまでもなく、健康を保つにはバランスのとれた食事をとることが不可欠ですが、セックスこ·ライフにおいても食事は非常に大事 な要素なのです。男性ホルモンの分泌が盛んな若い人たちに勃起障害が起こるのは、たいがい食生活に問題があります。先に触れた若い男性の精子の減少傾向も、原因は食生活なのです。さらに、血行は健康のすべてのパロメーターですが、これに障害が起きるとやはり勃起不全につながりますが、栄養素や血行については改めて詳述します。

男性ホルモン分泌の低下と並んで、勃起障害の原因として最も多いのが、⑤のストレスなどの精神面です。会社や家庭でストレスを受けることの多い中高年の人によく見られますが、近年は若い人たちのあいだにも、この心因性の勃起障害が憎えています。

最後の⑥薬の乱用とは、どんな薬でも過度に飲みすぎると、体がそれに依存してしまうため、結果的に生殖機能が正常に働かなくなることをいいます。とくにシンナーや麻薬、覚醒剤などを常用すると、神経がマヒした状態になり、勃起しなくなるばかりか、普通の刺激にも反応しなくなります。また、一部の降圧剤やウツ病治療薬などの副作用として、勃起不全になる例も見られます。